Wednesday, November 23, 2011

The Smartest Guys in the Room

The Smartest Guys in the Room読了。Enronの設立からChapter11 filingまで、栄枯盛衰を描いた重厚な一冊。とにかく儲かれば何をやっても許される、という社風がリーダーの嗜好によって生まれ、法律的にグレーな取引や強引な会計基準の解釈につながっていく。中堅より上位のマネジメントに多くのストック・オプションが付与された結果、株価の維持・上昇を意識した投資家向け財務諸表の「数字作り」が意識され、SPEの連結外しによる負債のオフバランス処理や何でもかんでも「Mark-to-market」を適用して利益を先取りする会計処理が行われた。負債のオフバランス処理に使うSPEをさらに利用してCFOが私腹を肥やした。

会計的にこれだけいろいろあれば、Sarbanes-Oxley法が施行されたのも仕方がないかな、と思う。日本では追随する形で日本版SOX法が施行されたあと、「SOX法導入は過剰反応」といった批判が散見された。しかし、この本を読むとエンロンの破綻だけをとっても、当時の雰囲気として何らかの対策が必要だと考えたのは必然だと思う。

Management overrideについても思うところがいろいろあるが、これについては改めて書くことにしたい。

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